高知・森木が書いた投稿文 そばにいたライバルは捕手

羽賀和紀
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(28日、高校野球高知大会決勝 明徳義塾5-3高知)

 終盤の同点劇に球場が沸いた直後のマウンドで、戦友が苦しんでいた。

 九回表無死一塁、高知・吉岡七斗(ななと)君(3年)はエースの森木大智君(3年)が投じた低めの直球を、2球続けて後ろへそらした。一塁走者が二塁、三塁と進み、次打者の左前安打で勝ち越しを許した。

 進塁は、いずれも記録は暴投だが、吉岡君にとっては「捕逸」だ。「自分のミスで全力投球させてやれなかったのが悔やまれる」

 小学6年生からバッテリーを組み、森木君の球を何千、何万と受けてきた。高知中で本格派右腕として注目される森木君の直球を生かすため、変化球を覚えるよう声をかけた。「ここまで来られたのは七斗のおかげ」。森木君は事あるごとに口にしていた。

 吉岡君の自宅には6年前の新聞の切り抜きが飾られている。「ぼくとライバル」と題した投稿文。筆者は小6の森木君で、名前こそないが、そのライバルが吉岡君だった。

 最後の夏の優勝を逃した後、吉岡君は悔しさをにじませながら誓った。

 「もう一度、森木と日本のトップレベルでバッテリーを組みたい。まだ終わりじゃない」(羽賀和紀)