27失点に24三振…弱かった狛江、専門家も驚く快進撃

木村浩之
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(28日、高校野球西東京大会 世田谷学園3-2狛江)

 延長十三回、2―3で惜敗した。でも、「よくやった」(狛江・西村昌弘監督)。こんな最高の夏になるなんて夢にも思わなかった――。その思いは、選手たちも同じだった。

 昨年11月上旬の練習試合では27失点し、九回までやらずに八回でやめた。同月下旬にあった別の試合では、アウト27個のうち24個が三振。年が変わって4月。無安打無得点試合をやられてしまった。

 でも、主将の落合陽輝(はるき)(3年)は諦めなかった。コロナ禍の自粛期間も試行錯誤。定期的にオンライン会議を開いてモチベーションを維持させ、自宅が近い部員同士で集まり、体幹トレーニングなど狭い場所でもできる練習を重ねた。

 落合のかけ声を受け、副主将の高岡知輝、本郷泰我、1番の三竿拓朗、中軸を担ってきた上野蒼空(そら)ら3年生を中心に、各自がしっかり自分のすべきことをこなした。自粛明けの春に腕や脚の周りを測定したところ、各校を回るトレーニングの専門家に「私立でもこんなに伸びない」と言われた。5月下旬ごろから、練習試合でも結果が出始めた。

 そして、夏が来た。逆転勝ちの連続で、この日を迎えた。落合は一回に左越え本塁打でチームに勢いをつけた。同じ3年で投手の森泉皓介は先発し、九回に一塁に回ったが十三回も再登板。1失点と好投した。落合は試合後、「3年生が一つになったから、ここまで来られた」と笑顔だった。

 チームにはある合言葉があったという。「きょうも野球をうまくなろう」。間違いなく狛江は、日に日に上手になった。=府中市民(木村浩之)