「戦争はサイバー攻撃から」 バイデン氏、中ロ念頭に

ワシントン=高野遼
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 バイデン米大統領は27日、米国の情報機関を統括する国家情報長官室(ODNI)の職員に向けたスピーチで「もし大国との間で銃を使った戦争に発展するとすれば、深刻なサイバー攻撃によって引き起こされるだろう」と述べ、ロシアや中国が絡むサイバー攻撃の深刻化に強い懸念を示した。

 バイデン氏はスピーチで、安全保障における情報機関の果たす役割の大きさを強調し、職員らの働きをねぎらった。その中で「ランサムウェア(身代金ウイルス)攻撃をはじめとするサイバー攻撃の脅威が、現実世界に被害や混乱をもたらすようになっている」と指摘し、大国との戦争に発展しかねないと警告した。

 サイバー攻撃をめぐっては、米パイプラインが一時操業停止に追い込まれるなど、今年に入って米企業を狙った深刻な被害が続いている。ロシアや中国との関連が指摘され、米国は対策に本腰を入れている。

 またスピーチでは、バイデン氏はロシアのプーチン大統領について、世界的にみてロシア経済の規模が低下しているとして「彼は自らが問題を抱えていると知っているので、さらに危険な存在となっている」と語った。来年の米中間選挙に向けてロシアが情報操作に動き出していると情報機関から報告を受けたことも明かし、「まぎれもない主権の侵害だ」と批判した。

 中国についても、自身が副大統領だったオバマ政権時代に、習近平(シーチンピン)国家主席と対話した経験を振り返り「2040年代半ばまでに世界最強の軍事力と経済力を持つ国になることを真剣に考えている。これは現実だ」と脅威を訴えた。(ワシントン=高野遼)