智弁学園が2大会連続V 兄がくれたノートで精神面成長

山口裕起
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(29日、高校野球奈良大会決勝 智弁学園6-4高田商)

 球場に向かうバスの中で、智弁学園の1番前川右京は一冊のノートを読み返した。「気持ちが前向きになれるんです」。ノートには、元大リーガーのイチローさんら著名人の格言がいくつも記されている。

 今年5月の誕生日に、二つ上の兄夏輝さんから打撃用手袋と一緒にもらったものだ。

 1点を追う一回。「絶対に打てる」と言い聞かせながら、先頭で左打席へ。中前安打を放つと打線がつながった。一挙6点。逆転勝ちの口火を切った。

 1年夏に4番を任され、通算35本塁打。だが、今春の選抜以降、不振に陥った。ノートは、弱気な性格を見抜いた兄ならでは、のプレゼントだった。毎試合読んで臨んだ今大会は、5試合で打率6割4分3厘。「もう大丈夫です」。精神的にも成長し、最後の甲子園に乗り込む。(山口裕起)