米フェイスブック、仮想空間「メタバース」に注力

サンフランシスコ=尾形聡彦
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 米IT業界や米社会で、仮想空間を意味する「メタバース」という概念が急速に広がっている。スマートフォンなどの画面上でウェブサイトを見るのでなく、VR(仮想現実)端末などで仮想空間内に入るイメージだ。フェイスブック(FB)のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は28日、メタバースに注力する姿勢を強調した。

 「メタバースとは何か? ネットを(画面で)見ているのではなく、仮想空間の中に入り込むことだ」

 ザッカーバーグ氏は同日の4~6月期決算の会見で、こう熱っぽく語った。

 VR端末やAR(拡張現実)端末を使いながら、仮想空間に入り、そのなかで人々と交流したり、買い物をしたり、ゲームをしたりして楽しむイメージだ。こうした仮想空間はすでに存在しており、FBはここ数年、傘下のVR企業「オキュラス」を通じ、VR端末の拡大に力を入れている。ただ、ザッカーバーグ氏が「メタバース」という言葉を多用し始めたのは先週ごろからだ。

 「メタバース(metaverse)」は、1992年の米国のSF小説「スノウ・クラッシュ」に登場する仮想空間を示す言葉だ。世界的人気ゲーム「フォートナイト」を運営する米エピックゲームズのティム・スウィーニーCEOが、同ゲーム内の仮想世界を示す言葉として最近よく使っていたことでも知られていた。ザッカーバーグ氏は28日、「メタバースが、(現在の主流の)『携帯を使ったネット利用』の後継になっていく」とし、経営資源を投入していくことを表明した。

 FBの4~6月期決算は、ネット広告収入が大きく伸び、売上高は前年同期比56%増の290億7700万ドル(約3兆1900億円)で、純利益は前年同期の2倍の103億9400万ドルに上った。ザッカーバーグ氏は「良い四半期だった」と語った。FBグループのアプリの利用者は6月末時点で、35億1千万人に達した。(サンフランシスコ=尾形聡彦