第6回温暖化で国が沈む危機 キリバスの柔道家、3年後パリで「踊る」

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編集委員・稲垣康介
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柔道女子 キリバス キナウア・ビリボ(27)

 ふもとで丘を見上げた。山だ。階段は何段あるんだろう? トレーニングで駆け上がるよう指示され、思わずコーチに言った。

 「私を殺す気ですか? 死んじゃいます」

 茨城県龍ケ崎市の「たつのこ山」。地上23メートルで100段以上の階段がある。

 柔道女子70キロ級のキリバス代表、キナウア・ビリボ(27)は昨年2月、近くにある流通経済大に柔道留学で来た。オセアニア柔道連盟のナウル・ジョサテキさんがコーチをしている縁での来日だった。

 「私の国に山はない。高層ビルとか、日本の風景は何もかもが衝撃でした」

 母国のキリバスは赤道付近の太平洋にある約30の環礁からなる小国で、平均標高は2メートルほど。海面上昇の影響を受けやすく、地球温暖化で2050年には大半の島々が水没する可能性があるといわれている。

 1カ月の予定だった武者修行はコロナ禍で狂った。母国に帰れなくなり、日本に残るしかなかった。

 コーチによると、「母国では…

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