感染抑制、夜間の人出を前回宣言並みに 西浦教授試算

市野塊
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 東京都内の夜間の人出を最低でも前回の緊急事態宣言並みに抑えないと、感染者は減らないとの試算を、京都大の西浦博教授がまとめた。前回は宣言から2週間後で5割ほど減ったが、今回は2割減にとどまっている。このままでは、感染者は増え続ける恐れがあるという。

 夜間に繁華街にとどまる人の数が、1人が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」と相関関係があるとみられることを根拠とした。

 実効再生産数は1を下回ると感染者数が減少する。

 試算では、都内で前回の宣言と同程度まで夜間の人出を減らした場合に、ようやく実効再生産数が1を下回ったという。

 現状は1・2~1・4程度で推移している。感染力が強い変異株(デルタ株)の影響も考慮した。

 試算は都医学総合研究所の調査結果を使っている。

 調査では、酒に酔った人も多く、「最もリスクが高い」とする午後10時~午前0時では、前回の宣言後の2週間で、繁華街にとどまる人の数は48・5%まで落ちた。しかし、今回の宣言では12・7%しか落ちていない。

 同研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長は、緊急事態宣言の発出直後が最も人出を減らす効果が高いが、今回は十分に下がらなかったと指摘。「感染者数が最多を更新し、人々の心理に届く今のタイミングで強い対策を打たなければならない。みんなが我慢できる時間は限られているので、どんどん聞いてもらえなくなる」と話す。

 二つの分析結果は、いずれも28日にあった厚生労働省の専門家組織の会合で示された。(市野塊)

東京都緊急事態宣言で、3回目(前回)と4回目(今回)の人の流れの変化は

           3回目   4回目

正午から午後6時 36・0%減 13・7%減

6時から8時   47・3%減 20・0%減

8時から10時   49・3%減 21・7%減

10時から午前0時 48・5%減 12・7%減

(宣言時点と2週間後の比較。宣言直前の1週間の人口を100%とした場合の比率)