射程絞り左右に動く働き蜂が必要だった 日本のセブンズ、見えた課題

有料会員記事ラグビー

構成・野村周平
[PR]

ラグビー 野沢武史の目

 東京オリンピック(五輪)の7人制ラグビー男子で、日本代表は12チーム中、11位で大会を終えた。元15人制日本代表で日本ラグビー協会の育成部門に携わる野沢武史さんに「敗因」を聞いた。

     ◇

 王者フィジーに肉薄した。最終戦となった韓国戦では、躍動感あふれる自陣からのトライで見せ場を作った。それだけに、英国、カナダ戦の内容が悔やまれる。

 蜂のように素早く動く「Beeラグビー」を掲げた日本だったが、まんべんなく総合力を上げようとした結果、強みを失っていたように感じた。他国と比較しても先発選手はサイズの差をさほど感じなかった。働き蜂でなく、女王蜂がたくさんいた印象だ。

 試合内容を振り返ると、もったいなかったのは、自陣深くからでも全力でアタックを繰り返したことで走力を使い切り、ディフェンス、肝心の敵陣でのアタックで、本来のキレのある動きを見せられなかったことだ。

 フィジーなど特別なチームを除き、7人制の大まかなトライレンジ(射程圏)はゴールラインから40メートルまで。日本が失ったトライをみても、敵陣から走り切られたトライは全体の30%を下回る。失点の起点は、日本の自陣で発生している。

 日本は、松井千士が自陣から素晴らしいトライを挙げた。フィジー戦で奪った2本目のトライは、ゴールラインから50メートルほど離れた位置からつなぎにつないだ日本らしいものだった。裏返せば「レンジ」が遠かったのが今回の日本だったとも言える。いかに体力を温存しながら、その射程に賢く入るのかが見えなかった。

 「7人制ではマイボールキックオフが大事」と言われるのは、マイボールのキックオフを獲得できれば、このレンジに入った位置からアタックを始められるからだ。副島亀里ララボウラティアナラのフィジー戦での豪快なトライに至ったキャッチを除き、ここでもジャパンは苦戦を強いられた。

 加えて、日本のアタックの60%は、右なら右、左なら左、と一つの方向にボールを動かし続ける「ワンウェーアタック」だった。これは相手にディフェンスの的を絞られやすく、そうした状況で無理に前進を試みたことも体力の消耗につながった。費用対効果の低い戦い方だったように思う。

 全力でここまで準備をした選…

この記事は有料会員記事です。残り341文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら