下水処理ガスで発電 大分・中津、県内初の民設民営

大畠正吾
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 大分県中津市は、下水道の中津終末処理場(同市大塚)の汚泥から発生するガスを、発電設備の燃料として事業者に売る事業を始めた。これまで大半を燃やしていたガスを活用することで、地球温暖化防止に貢献するとともに、下水道事業の収益向上にもつなげる。

 中津終末処理場では、家庭や店舗から出る下水をきれいな水と汚泥に分けている。発電に利用するのは汚泥を発酵処理するときに出るメタンを主成分とした消化ガス。月島機械を代表企業とする3社が処理場内に発電能力が49キロワットの設備をつくり、4月から稼働させている。

 年間発電量は42万キロワット時で、一般家庭約120世帯分に相当する。電気は再生可能エネルギー固定価格買い取り制度で「九州電力送配電」へ売り、年間1630万円の売り上げを見込む。事業期間は20年。市にはガスの売却益や土地利用料が年間約72万円入る。

 温暖化防止効果としては、この発電によって他の電力会社の発電分が減ることで、二酸化炭素を年間137トン分を減らすことができる。これは約9700本の杉が1年間に吸収する量に相当するという。

 市によると、消化ガスの発電事業を民設民営方式で行うのは県内自治体では初めて。市上下水道部の担当者は「市が自前の発電設備で利益を出すにはリスクがあった。民設民営によって安定的な収益が見込める」と利点を説明している。(大畠正吾)