和大チーム、あす鈴鹿でソーラーカーレース
和歌山大学(和歌山市)の学生チーム「ソーラーカープロジェクト」が、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で31日に開かれる「ソーラーカーレース鈴鹿2021」に出場する。レースは今大会で終了するといい、チームは鈴鹿でのラストランで上位入賞を狙う。
レースは、車体に付けた太陽光発電パネルを動力源に、1周5・8キロのコースを制限時間内に何周できるかを競う。
チームは同大システム工学部や経済学部の学生ら50人からなる。02年の発足以降、学生自身で車の設計やシステム開発などを手がけてきた。鈴鹿のレースに初出場した06年は38台中33位で終わったが、16年には14台中1位に輝いた。
レースで走るのは、19年に作られた10代目で、改良を重ねてきた「うめ☆(うめぼし)号」。骨組みはカーボン、車体は発泡材でできている。これまでに材料費や改修費で約700万円かかった。大学からの年100万円ほどの研究予算と別に、学生自身でスポンサーを探して資金も捻出してきた。
リーダーでシステム工学部3年の中内仁香さん(20)はもの作りに憧れてプロジェクトに入った。車のどの部分にどれほどの負荷がかかり、どんな素材を使えばいいのか。強度の計算は、日々大学で勉強していることが応用できるという。
「設計に1ミリでも狂いがあると車がちゃんと走らない。難しさもあるのが面白い」。自分が作った車が実際に走り出す瞬間を見るのがたまらないという。
今回出場する「オリンピアクラス」は5時間耐久で、3人のレーサーが順番にハンドルを握る。第1走者を務めるのは経済学部3年の高井賢人さん(21)。鈴鹿サーキットのレースをシミュレーションできるプレイステーション4用ソフト「グランツーリスモSPORT」で何度も走り、コースの特徴を頭にたたき込んできた。
「みんなで作った車で走るので責任は重いが、上位入賞したい」と意気込む。
1992年に初開催されたソーラーカーレース鈴鹿は、「代替エネルギーのトレンドが変化した社会状況の中で役割を果たした」として今大会で終了する。
鈴鹿は今年で終わりだが、チームの次の目標は海外だ。ソーラーカーで約5日間かけて3千キロを走り、オーストラリアを北から南に縦断する「ブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジ」に2023年に出場するため、さらなる改良を重ねるという。(国方萌乃)