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首相、命守る対応「できている」 コロナ猛威下の五輪に

森岡航平、笹山大志
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 菅義偉首相は29日夕、田村憲久厚生労働相ら関係閣僚を首相官邸に集め、新型コロナウイルス対応の協議に臨んだ。協議後、記者団の取材に応じた首相は、国民の命と健康を守っていく前提のもとで東京五輪が開かれているのかを問われ、「対応はできていると思う」と語った。主なやりとりは次の通り。

 ――関係閣僚会議で決定した新たな方針は。

 東京の感染者数は過去最高、また、他の地域においても増えつつある。強い危機感を持って対応している。各自治体から要請があり、緊急事態宣言やまん延防止の措置(まん延防止等重点措置)について、専門家の会議にかけることを決定した。場所と期間などについて明日、決定する予定だ。ワクチン接種を進めながら各地域でしっかりと対応し、病床の逼迫(ひっぱく)を招かないように対応していきたい。

 ――28日は東京都と全国で過去最多の新規感染者数が確認されたが、なぜ(官邸エントランスホールで記者団とやり取りする)「ぶら下がり取材」に応じなかったのか。

 ぶら下がり取材は、毎日対応することでなく、一定の方向性を示す中で、今日もこのように対応している。

 ――東京都緊急事態宣言が出ているが、感染が拡大している。宣言の効果がなくなっているのではないか。

 いろんな意見があることは承知している。ただそういう中でワクチン接種、さらに(19日に製造販売を特例承認した)「抗体カクテル」の治療法もあるので、しっかり早急に対応できるように準備を進めている。

 ――29日、全国の新規感染者数が初めて1万人を超えた。五輪開催で警戒心が緩んでいるとの指摘についてはどう考えるか。

 いろんな人がいろんなご意見を言っていることは承知している。ただ、この五輪大会を契機に、例えば自動車の規制だとか、テレワークだとかによって、7月の中旬から始めているが、人流は減少傾向にある。さらにこの傾向を加速させるために、ご自宅で観戦をしていただいて、ご協力をいただければと思う。

 ――国民の生命と健康を守っていくのが、東京五輪開催の前提だと首相はかつて発言していた。今の状態はその前提にかなっているのか。

 (その)前提の中で最大限の努力をしている。現に一番、重症化が多いと言われた65歳以上の高齢者(の感染者割合)は、(東京都の場合)20%もあったが、今は3%を切っているときもある。対応はできていると思う。

 ――28日、厚生労働省に助言する専門家組織の会合の中で、政治の危機意識が伝わっていないのではないかという指摘があったが、どう考えるのか。

 いろんな取り方があるだろうが、(感染者に占める高齢者の割合が)ワクチンによって大幅に減少していることは事実。そうしたことを示していくことも私どもの仕事だ。

 ――東京五輪の開催が感染者数に悪影響を与えていない、因果関係がないとする論拠はなにか。

 人流が増えたり、あるいは(訪日中の)外国人から感染が広がったりとか、そうしたものを避けるための水際対策をしっかりやっているので、そこはない。(森岡航平、笹山大志)