多様なルーツ、下町育ちのウルフ・アロン 追いかけた先輩超える3冠

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波戸健一
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 出会っていなければ、ここまで強くなれなかったかもしれない。あこがれの先輩が5年前に立っていた舞台。東京オリンピック(五輪)柔道男子100キロ級のウルフ・アロンはその決勝の畳に立っていた。

 前半は耐えて相手の体力を削り、得意の後半勝負に持ち込む。試合開始から9分が過ぎ、相手の体力が削られているのを見逃さなかった。

 「袖が持てる。大内刈りだ」。待っていたチャンスが来た。渾身(こんしん)の大内刈りに趙グハム(韓国)は仰向けで飛んだ。「愚直にやってきてよかった」。日本武道館の天井を見上げたウルフの目から涙があふれ出た。

 母は日本人、父はドイツ系の米国人で、フランスアイルランドの血も入る。東京の下町、小岩で育ち、6歳で柔道の総本山・講道館にある春日柔道クラブで柔道を始めた。

 その時から1歳年上で201…

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