デルタ株猛威 九州・山口・沖縄「自粛ムードに緩み」

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藤原慎一、伊藤隆太郎、山田佳奈、小川裕介 神野勇人
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 九州・山口・沖縄で、新型コロナウイルスの感染拡大が続く。背景には、感染力の強い変異ウイルスの広がりに加え、東京五輪の開催、夏休みによる自粛ムードの弱まりがあると専門家らは指摘する。

 インドで見つかった変異株(デルタ株)は、九州・山口・沖縄にも急速に広がっている。「第4波」では、英国で見つかった変異株(アルファ株)が中心だったが、置き換わりつつある。

 熊本県は22~27日の新規感染者157人のうち57人をスクリーニング検査したところ、55人がデルタ株疑いの変異株だった。陽性者に占める比率は96・5%に上る。新規感染者は7月中旬までほぼ1桁だったが、下旬から急増した。県の担当者は「県外からデルタ株が入ったことにより、感染が広がった」とみる。

 緊急事態宣言が続く沖縄県でも、デルタ株疑いの比率が急上昇している。6月21日からの1週間は2%だったが、今月12日からの1週間は14%に上昇。さらに今月25日までの直近1週間では33・7%に達した。県の担当者は「一気に流れ込んできており、脅威でしかない」。

 長崎県は、直近1週間のデルタ株疑いの比率が5割を超える。デルタ株に感染した疑いのある16人のうち、15人に県外での滞在歴や、県外に滞在した人との接触歴があったという。県の担当者は「とにかく人の流れを抑えなければ」と話す。

 長崎大学の柳雄介教授(ウイルス学)は「デルタ株は感染力が強く、短期間に拡大しやすい」と指摘する。今回の「第5波」では若年層の感染も目立っており、「高齢者のワクチン接種は進んだが、若年層は遅れている。若者は無症状も多く、感染の広がりが速い」と話す。

 柳教授は変異株の感染力の強さに加え、感染が広がる大都市圏からの人流の増加も大きいとみる。「第4波がおさまった後、地方では感染者が減っていた。ところが五輪開催で外出や移動の自粛ムードが緩み、首都圏で急拡大したウイルスが地方に持ち込まれたり持ち帰られたりしている」

 感染が急拡大する福岡県の上野道雄・新型コロナウイルス感染症調整本部長は「感染力が強いデルタ株の影響で、感染者が増える速度がこれまでより速い。極めて深刻に受け止めている」と話す。若い世代に対し、「ワクチン接種をできるだけ早く進めてほしい」と呼びかける。

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