同一コンサル会社への発注突出 「解任」の山口FG会長

編集委員・堀篭俊材、女屋泰之
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 株主総会後の臨時取締役会で事実上解任された、地方銀行山口フィナンシャルグループ(FG)の吉村猛前会長が在任中に結んだコンサルタント契約が、同一の会社に集中していたことがわかった。山口FGの調査委員会が調べたところ、コンサルの結果に基づく社内での事業化検討の形跡がほとんどなかった。経営トップとして適切な対応だったのかが問われそうだ。

 関係者によると、吉村氏は経営トップ在任中の5年間で、個人客向けのリテール事業に関する調査などを都内の外資系コンサル会社に委託していた。件数は計16件と突出して多く、総額約4億4千万円分。山口FGが払った額は消費税を含めて約5億円にのぼる。

 このコンサル会社をめぐっては今春、元代表と吉村氏の「癒着」を指摘する内部告発文書が関係者に届き、山口FGは社外取締役を中心とする調査委員会を5月に立ちあげていた。

 社内の関係者に聞き取りを進めたところ、多くの幹部がコンサルの結果を知らされていなかった。吉村氏が結果を担当部署としっかり共有せずに適切な業務執行を怠っていた、と調査委は判断している模様だ。

 吉村氏は6月25日の山口FGの定時株主総会で多くの支持を集め、取締役に再任された。しかし、直後の臨時取締役会で、会長とCEO(最高経営責任者)の続投を否決された。新規事業を相次ぎ打ち出し、地銀の改革派トップとして知られた吉村氏が、ヒラの取締役に「降格」されたことで話題を集めた。

 背景には、消費者金融アイフルと共同で新銀行をつくろうとする吉村氏の構想があったとみられる。新銀行のCEOに元コンサル代表を起用する人事案について、取締役会の過半を占める社外取締役たちには吉村氏の「独断専行」と映ったとされ、解任劇につながった。今回の調査で、吉村氏が元代表を通じて特定のコンサルを重用していたことが裏づけられ、山口FGは両者の関係などについての説明を求められている。

「個別の契約内容、答えられない」 コンサル会社

 朝日新聞は、元代表との関係などについて吉村氏に取材を申し込んだが、30日までに回答を得られなかった。発注を受けていた外資系コンサル会社は「個別の契約内容については答えられない」としている。山口FGは調査結果の報告書をまとめ、金融庁に近く提出する。(編集委員・堀篭俊材、女屋泰之)