誰にもある孤立の可能性 急増する「家族なき」人々の死

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それぞれの最終楽章・死を学ぶ理由(5)

シニア生活文化研究所所長 小谷みどりさん

 今年初め、死後1週間以上経って発見された女性の自宅を訪問しました。女性が倒れていた畳には、人の形に真っ黒いシミができていました。すぐ隣に親戚が住んでいますが、長らく交流がなく、女性が亡くなっているのを発見したのはケースワーカーでした。

 女性は国際線のキャビンアテンダント(CA)でしたが、精神疾患を発症して退職し、その後は両親と暮らしていたようです。数年前に父が亡くなり、半月前には認知症の母が脳梗塞(こうそく)で入院し、女性はひとり暮らしになった矢先でした。母は認知機能が低下しており、娘の死を理解できません。誰にも「助けて!」と言えず、ひとりで亡くなった女性の気持ちを考えると、やりきれない思いでいっぱいです。

 数カ月前には、脳梗塞を発症し、その後遺症で話ができず、半身不随になった見ず知らずの男性を助けました。日本で生まれ育った外国人で、直前まで国外に5年以上住んでいたので、私が会った時は日本での住民票は抹消されていました。貯金せず(自助)、国民健康保険に加入せず(共助)、日本にいる家族に拒否され(互助)、かつて住民登録をしていた自治体では生活保護などを受ける権利もありませんでした(公助)。自業自得かもしれませんし、実際に「そんな人を助ける必要はない」と私に言う人は何人もいました。

 でも、CAの女性やこの男性…

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