もうプロには…ヤクルト青木を救った「海にいかない?」

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坂名信行
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 その日、彼は、生まれて初めて湘南の海を見た。

 今から19年前、8月の終わりだった。当時20歳。プロ野球ヤクルトの青木宣親は、このとき友だちと出かけた海水浴がなければ、プロの世界に入れていなかったかも、という。

 今季で18年目。日本で3度の首位打者に輝き、大リーグではワールドシリーズに出場し、今年5月には史上4人目の日米通算2500安打を達成。39歳は言う。「あれ(湘南の海)がなかったら、記録どころじゃなかったですよ」

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 それは、早大3年生の夏だった。青木が「戦力外通告」と受け止めるほど、野球部の監督に激しく怒られた。

 原因は、練習試合での緩慢な走塁。一塁走者だった青木は、送りバントで二塁へ。余裕でセーフのタイミングだと思い、スライディングをしなかった。ところが結果はアウトに。

 それまでに何度も叱られてきたが、このときの言葉はいつもと違った。

 《何なんだあのプレーは。お前はもういい!》

 《ダメだ!》

 宮崎県から上京し、レギュラーの座をつかんだのに、もう試合で使ってもらえない、と感じた。

 「監督の堪忍袋の緒が切れた感じ。目指していたプロにもうこれでなれない、と本気で思った……」

 その夜、来る日も来る日も、参加していた自主練習に姿を見せなかった。

 異変に気づいたのは、同学年…

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