東京の夏は理想的?「うそつき」と海外メディアから批判

笠原真
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 「五輪が開催される東京の夏は温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候です」。東京大会の招致委員会が2013年、国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルでこう説明していたことに、現在、海外メディアから批判の声が相次いでいる。というのも、開催中の東京五輪では、酷暑に苦しむ選手の姿が目立っているからだ。

 米ネットメディアのデイリー・ビーストは26日、立候補ファイルの説明について、「この時期の東京に行ったことがある人なら誰でもわかるように、それはよく言えば楽観的、最悪な言い方をすればうそだ」とする記事を配信した。IOCに対しては、「なぜこれを真実として受け入れたのだろうか?」と疑問を呈した。

 こうした事態が起きる背景には、大会の招致には巨額の費用がかかるため、絶対に招致を成功させなければならない事情があるからだと指摘した。

 そして記事の末尾には、スポーツコラムニストのダン・ウェツェル氏の言葉を引用した。「日本は天候について謝る必要はない。しかし、アスリートがこの環境で疲弊し続けることについては、全ての人に謝らなければならない。地獄のようにうそをついたのだ」

 米ウォールストリート・ジャーナルは25日、「東京の、時に過酷な夏の気候は、大会招致が決まった2013年当時から心配されていた」と指摘。その上で、「今まで経験した中で最悪の暑さ」「この湿度は残忍だ」などとするアスリートの言葉を紹介した。

 さらに「東京大会の主催者は、暑さの問題を小さく扱おうとしてきた」と、招致委を批判した。

 英紙ガーディアンも20日に配信した記事で、19年にマラソンの開催場所が東京から札幌に変更されたことに言及。その理由として、「7~8月の気候が『穏やか』で『アスリートにとって理想的』だとする東京側の主張への疑念」があったと強調。前回の1964年東京五輪では、暑さを避けて10月開催だったと指摘した。(笠原真)