理想のバランスは「桃太郎」 ノラネコたちと目指すもの

有料会員記事

聞き手・田中瞳子
[PR]

 「ニャー、パン おいしそう」と、パン工場に忍び込む。「ニャー、きしゃ かっこいい」と、汽車を勝手に運転する。8匹の「ノラネコぐんだん」が心のままに行動し、毎回「ドッカーン!!」と爆発。そのたびに怒られて、反省する……。

 「ノラネコぐんだん」シリーズは、お決まりの展開につい笑ってしまいます。作者の工藤ノリコさんに、隠された仕掛けを聞きました。

 「ノラネコぐんだん パンこうじょう」(白泉社、2012年)

パン工場にやってきた8匹のノラネコぐんだんは、おいしそうなパンが気になります。作り方を盗み見ると、簡単そう。夜に工場に忍び込み、おいしいパン作りに取りかかります。ふくらし粉を勢いよく入れて焼き上がりを待ちますが……。シリーズ絵本は現在8作目まで発行。ノラネコぐんだんシリーズは累計200万部(童話やコミックを含む)。

「切なさ際立たせる」 脇役が主役に

 実は、この「ぐんだん」のスタートは、脇役でした。

 私は絵本作家としてデビューする前、友人が勤める地方情報誌で漫画を描いていました。まじめに働く犬が主人公の「がんばれ!ワンワンちゃん」という4コマ漫画です。

 買い出し帰りのワンワンちゃんを狙い、落とし穴を作って弁当を横取りしたり、ワンワンちゃんの働く熱帯魚ショップで魚を釣ったり……。チームプレーで主人公を苦しめる困ったネコたちでした。

 でも、「ワンワンちゃんの切…

この記事は有料会員記事です。残り1362文字有料会員になると続きをお読みいただけます。