アストラワクチン、デルタ株には?まれな血栓の症状は?

有料会員記事新型コロナウイルス

編集委員・田村建二
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 英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを、40歳以上の人に公費で接種できるようにする方針が、厚生労働省の分科会で30日、固まった。ファイザー製やモデルナ製に続く有効性をもち、インドで確認された感染力の高いデルタ株への効果も示されている。一方で、まれとはいえ、接種後に血栓を起こした例が海外で報告されている。実際にどの程度活用されるかはまだ不透明だが、このワクチンの利益とリスクを考えるために、一般の人への丁寧でわかりやすい情報提供が求められている。

 アストラゼネカのワクチンは、ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」とは異なる「ウイルスベクターワクチン」と呼ばれるタイプだ。

 新型コロナウイルスの遺伝物質の一部を、体内で増えないようにしたアデノウイルスというウイルスに入れて、細胞まで運ぶ。新型コロナの感染を防ぐ「抗体」を体内でつくらせ、本当の感染に備える。

 英オックスフォード大が基礎研究を担った。一般的な冷蔵庫と同じ2~8度で保存でき、超低温での小分け輸送に向かない遠隔地などでも活用しやすい。

8週以上の間隔で最大の効果

 2回うつことはファイザー製などと変わらない。1回目と2回目の接種間隔は4~12週間。最大の効果を得るためには8週以上の間隔をおいたほうがよいとされている。

 海外での臨床試験のデータによると、接種した人の新型コロナの発症率は、接種しない人と比べて70・4%低かった。

 これは、95%のファイザー製、94・1%のモデルナ製には及んでいないが、50%ほどといわれるインフルエンザワクチンと比べても、有効性は高いといえそうだ。ただ、70歳以上の試験への参加者が少なく、高齢者での有効性は十分にはわかっていない。

 デルタ株への効果も確認されている。英国チームの論文によると、アストラゼネカ製ワクチンの2回目の接種を終えて14日以上たった人のデルタ株による発症率は、接種しない人と比べて67%低かった。1回接種では30%にとどまっていて、1回だけではパワーが足りないことはファイザー製などと同様だ。

 別の研究によると、デルタ株への感染によって入院を必要とする割合も、2回の接種を終えた人では接種しない人より92%低いという結果だった。

 安全性に関して、臨床試験のデータによると、接種後に38度以上の発熱をした18~55歳の人の割合は、1回目で24・5%、2回目で0%。56~69歳は1、2回目とも0%などとされる。頭痛や筋肉痛などを含め、副反応の起きる頻度は1回目のほうが2回目よりも高い。これは、ファイザー製などとは逆の傾向だ。

血栓、多くは1回目のあと

 最も心配な副反応の血栓症は、血液中の血小板の減少を伴うという特徴をもち、「TTS」とも呼ばれる。うって4日~4週間後に起きやすい。

 英国からの7月14日現在の報告では、1回目と2回目あわせて4750万回接種されたうち、411件のTTSの報告があり、71人が亡くなったという。頻度は1回目の接種のあとが100万回あたり14・8件、2回目のあとが同1・9件で、大部分は1回目のあとに起きていた。

 血栓は、新型コロナに感染す…

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