匿名で民事裁判へ 答申の試案、犯罪やDV被害者を保護

有料会員記事

伊藤和也
[PR]

 IT化をはじめとする民事裁判手続きの見直しを進めている法制審議会(法相の諮問機関)の部会は7月30日、氏名や住所を秘匿して裁判できるようにする新たな制度の答申に向けた試案を公表した。これらの情報が裁判を通じて相手方に伝わるのを防ぎ、犯罪やDVの被害者を保護する狙いがある。

 部会では、「書面」と「対面」が原則の民事裁判で、訴状をオンラインで提出し、裁判記録を電子化するなどのIT化を昨年6月から先行して検討し、試案をまとめている。検討の中で、IT化により裁判記録にアクセスしやすくなることから秘匿制度の必要性が指摘された。その後の議論も踏まえ、法務省が30日の会議で氏名や住所を秘匿化する試案を示した。同省はIT化とあわせ、来年の通常国会に民事訴訟法などの改正案を提出したい考えだ。

提訴ためらう人も

 現在は民事訴訟法などの規定で、訴状など裁判所に提出する書面には当事者の氏名や住所が記載される一方、当事者による書面の閲覧を制限する規定はない。このため、加害者と面識のない犯罪の被害者や、DVから逃れ住まいを隠して暮らす人が、氏名や住所を相手方に知られるのを不安に感じ、裁判を起こすことをためらうケースもある。

 試案の秘匿制度では、まず提…

この記事は有料会員記事です。残り443文字有料会員になると続きをお読みいただけます。