「ふざけるな」怒る飲食店 備えなき政府、遅れる支援金

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新宅あゆみ、中島嘉克 榊原謙 伊沢友之
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東京都内で4度目の緊急事態宣言が始まった12日、新橋の繁華街は休業や営業時間短縮をする店が目立った=2021年7月12日午後、東京都港区、新宅あゆみ撮影
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顕れたもろさ コロナ危機と経済:1

 東京都内で酒類の卸販売を営む男性社長は、12日に始まった4度目の緊急事態宣言に怒りが収まらない。これまでも飲食店などで酒類提供の制限が続き、売り上げは激減。ところが、宣言は何度も繰り返され、今回は酒類提供を続ける飲食店とは取引をするなという要請まで飛び出し、耳を疑った。

 「対策の効果も検証せず、我々には『もっとやれ』と言うだけ。ふざけるなと言いたい。補償が十分なら文句も言わないが、支援金も全く足りない」

 飲食店などと取引がある中小企業向けには、1月の2度目の宣言にあわせ、「一時支援金」ができた。最大60万円を支援するが、受け付けが始まったのは3月初め。申請には確定申告書や売り上げ台帳など様々な書類が必要なだけでなく、税理士に手数料を払って事業実態を確認してもらう手続きも求められた。男性社長がようやく申請にこぎ着けると、事務局から「書類に不備がある」とのメールが届いた。ところが、どこに問題があったのか文面からは分からず、コールセンターに問い合わせても、つながらない。結局、申請を出し直し、口座にお金が振り込まれたのは、最初の申請から2カ月以上も過ぎていた。金額も家賃と従業員30人の人件費を払うには全く足りず、「赤字は数百万じゃすまない」という。

 支援を必要とする人に迅速にお金が配れない――。コロナ禍で何度も繰り返された失態は、政府の危機対応の「もろさ」を浮き彫りにした。昨年、売り上げが大幅に減った中小企業向けに配った「持続化給付金」もそのひとつだ。

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主なコロナ対策事業の執行状況/主要国のコロナ対策のGDPに占める割合

 制度設計にかかわった関係者…

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