半世紀で3例目、超レアな新星発見 北海道のアマ天文家

東山正宜
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 北海道釧路市のアマチュア天文家、上田清二さん(68)が、星が急激に明るくなる「新星」と呼ばれる現象のうち、明るくなったあと、通常の数十倍から数百倍の速さで暗くなる星を発見した。新星の明るさはもとの星が重いほど変化が速いが、ここまで速く暗くなるのは極めて珍しいという。専門家は「ここ半世紀で3本の指に入る減光速度だ」と評価している。

 新星は、燃え尽きた星に近くの星からガスが流れ込み、ある程度たまると核融合が起こって爆発する現象。星ごと吹っ飛ぶと超新星、表面のガスだけが爆発すると新星と呼ばれる。星が重いほど少量のガスでも核融合が始まるため、すぐに燃え尽きるほか、ガスが四散するのも速いため急速に暗くなる。今回の新星もこのパターンらしい。

 上田さんは6月12日、自宅の天文ドームでいつものように撮影を開始。もやが晴れ始めた午後9時ごろ、ヘルクレス座に8等の明るい新星があるのを発見した。望遠鏡で正確な位置を調べて報告すると、イタリアなど世界中のチームが観測を引き継ぎ、詳しい明るさの変化がわかった。

 国立天文台によると、V1674と名付けられたこの新星は、通常なら2等級暗くなるのに数十日から数百日かかるのを2日で減光した。1975年と91年にも似た新星があり、この半世紀で3例目という。

 上田さんが新星を発見したのは2回目。「大陸の東に位置する日本は、新星や超新星を早く発見しやすい地の利がある。見つけたときの身震いする感覚。ライフワークです」と話す。

 国立天文台の前原裕之助教(恒星物理学)は「新星の明るさが最大になる前に発見され、報告も早かったため、明るさの変化が詳しく観測できた。今回の発見は、この分野に大きな貢献になった」とたたえた。東山正宜