黒い雨被害者、区域限定せず救済を 広島平和宣言

比嘉展玖
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 広島市松井一実市長は30日、被爆76年となる8月6日の平和記念式典で読み上げる「平和宣言」の骨子を発表した。原爆投下後の「黒い雨」を巡り原告全員を被爆者と認めた広島高裁判決の確定を受け、援護区域を限定せずに黒い雨被害者を早急に救済するよう政府に求める。区域拡大を求めた昨年までより踏み込んだ内容になる。

 今年1月に発効した核兵器禁止条約については、条約への署名・批准のほか、来年1月にウィーンで予定されている第1回締約国会議への参加を政府に求める。同時に、市民社会の役割を重視し、「平和を享受するための共通の価値観を形成することが必要」と明記。生まれつき目も耳も不自由だったヘレン・ケラー氏の言葉を引用しながら、個々の力を結集して世界を動かす原動力となるよう呼びかける。

 松井市長は記者会見で「条約が発効したが、世界情勢は核戦力の強化を進めている二律背反な状況。為政者の政策転換を促したい」と語った。(比嘉展玖)