警察官が覚醒剤の空袋仕込む?違法捜査の有無、見極めへ

阿部峻介
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 警察官が覚醒剤の空袋を捜査対象者の車に仕込んだ疑いが指摘される薬物事件の上告審判決で、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は7月30日、違法捜査の有無をはっきりさせずに関連証拠を採用した二審・東京高裁判決を破棄し、高裁に審理を差し戻した。裁判官5人の全員一致の意見。

高裁で再審理へ、最高裁が判決

 第三小法廷は、証拠捏造(ねつぞう)の可能性を念頭に「本件事実の持つ重要性」から「(高裁判決を)破棄しなければ著しく正義に反する」と判断。覚醒剤の空袋は車内にもともとあったのか、それとも警察官が仕込んだのかについて、高裁で再審理させることにした。

 一審・東京地裁は、警察官が自分のズボンに手を入れてから男性被告(57)の車の運転席ドアの内ポケットに手を伸ばした車載カメラの映像などから、空袋を仕込んだ疑いを認定。これを根拠にした令状取得手続きには「重大な違法」があるとして関連証拠を採用せず、覚醒剤の所持や使用など一部を無罪とした。

 高裁は、事実関係をあいまいにしたまま覚醒剤事件の実質審理をさせる目的で地裁に差し戻すとしたため、弁護側が上告していた。(阿部峻介)