京都の老舗で生まれた和の香り300種 線香、匂い袋…

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諏訪和仁
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凄腕しごとにん

写真・図版
香りの楽しみ方はいろいろある。香りの原料を蜜と混ぜ合わせて丸薬状にし、香炉でたく「練香(ねりこう)」もその一つだ=京都市上京区、滝沢美穂子撮影

山田松香木店 製造部 課長補佐 堀田千尋さん(35)

 お墓や仏前にそなえるお線香や、家の中でたくお香(室内香)を作っている。江戸時代から続く老舗で、原料の仕入れから製造、品質管理までかかわりながら、新たな香りを生み出すことに力を入れる。これまで調合した和の香りは約300種類にもなる。

 今年出した新たなお香は「清聚香(せいしゅこう)」。新型コロナウイルスの感染拡大がやまないなか、清潔感やすっきり感を前面に打ち出す香りにした。お寺から檀家への配りものとしてもヒットしている。

 この香りには、香木(こうぼく)の白檀(びゃくだん)や生薬でもある丁字(ちょうじ)といった抗菌作用がある原料を使っているが、それだけでは「いい香り」にはならない。ほかの原料を選んで調合し、自らの鼻を頼りに思い描いた香りに近づけていく。顧客の好みを聞いてオーダーメイドで香りを作る担当もしている。

 5年前に手がけたお線香の「華陽(かよう)」は、白檀を使った製品の中では「甘さが上手に出ている」と人気だ。この「甘さ」のように、香りは味にたとえることがある。「甘さ」ならシナモン(桂皮(けいひ))やバニラのような香りを思い浮かべるが、人によって異なり、言葉で伝えるのは簡単ではない。

 天然の香りの原料は、100…

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