なぜ今北方領土の経済対策を指示? プーチン氏の深謀は

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大野正美
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 ロシアのミシュスチン首相が7月26日、極東視察の一環で北方領土の択捉島を訪問した。プーチン大統領の指示によるもので、同首相は北方領土への投資に対する免税などの経済活性化策を表明。日本側はこうした北方領土でのロシア法を前提とした政策に反発しているが、ロシア側は訪問後、政府要人が日本との平和条約締結で善隣関係を発展させる必要性も語った。強硬姿勢が目立った2年前のメドベージェフ首相(当時)の択捉訪問時からは、ロシア側の姿勢に変化の兆しも見えている。

 ミシュスチン首相は択捉島で、「クリル諸島(千島列島)での投資や経済活動の活性化策として、必要な設備や商品の輸入に対する関税免除地域の創設を検討している」と表明した。所得税付加価値税固定資産税、土地税、車両税も「免除が可能だ」とした。

 こうした「前例のない」措置について首相は「プーチン大統領と事前に協議した」とも説明。訪問後に「西側の投資家にとって興味深く、日本も共に働ける」制度としてまとめ、導入していく考えも示した。

 ただこうした免税措置は、2年前の択捉訪問時にもメドベージェフ首相(当時)が「クリル諸島のビジネス活性化に必要な道具だ」と表明しており、従来の政策を再度持ち出したに過ぎないとも言える。

 それではなぜ、このタイミングでプーチン大統領北方領土での新たな経済政策の検討を指示したのか。

 北方領土でロシアは2017…

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