新規求人が低迷、宿泊・飲食の苦境浮かぶ 6月雇用統計

山本恭介
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 6月の雇用統計が30日公表され、コロナ禍に振り回される宿泊・飲食サービス業の苦境が改めて浮かんだ。緊急事態宣言の地域が再び拡大し、他産業との差がさらにつく可能性がある。

 企業が景気の先行きをどうみるかを表すといわれる新規求人数。厚生労働省によると、6月は約79万7千人で前年同月より5・4%増えた。産業別でみると製造業や教育・学習支援業が10%以上伸びたが、宿泊・飲食サービス業は10・6%減と3カ月ぶりに減った。

 総務省によると、宿泊・飲食サービス業の6月の就業者は382万人で前年同月より13万人増えている。ただ、コロナ禍の前だった前々年同月の407万人と比べると25万人少ない。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、6月の休業者がサービス業中心に前月より30万人減ったことについて「6月に感染者数がいったん落ち着き、宣言が解除された影響」とみる。だが、8月以降、再び宣言の対象地域が広がり始め、「コロナ禍に振り回されてきた事業主がどこまで雇用を維持できるか、厳しい状況が続く」と懸念する。

 6月の雇用統計は全体的には小幅に改善した。有効求人倍率季節調整値)は1・13倍で前月比0・04ポイント上昇。完全失業率(同)は2・9%で0・1ポイント下がり、完全失業者(同)は202万人で2万人減った。(山本恭介)