コロナ対策はアピールばかり、30兆円超が現場に届かず

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榊原謙
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 2020年度の国の予算で30兆円を超える繰越金が生じたことは、政府が規模の大きさをアピールしてきたコロナ対策の多くが現場に届いていなかったことを示した。翌年度の執行を前提にした事業を補正予算に盛り込む「補正回し」「15カ月予算」と呼ばれる手法が常態化していることも背景にあり、財政規律の立て直しが急務となっている。

 「もう少し円滑にできなかったのだろうか」

 医学部を持つ大学や病院で作る全国医学部長病院長会議の担当者は言う。新型コロナ患者の受け入れに協力する病院に配られる政府の「緊急包括支援交付金」のことだ。コロナ病床を増やすため、交付金による後押しが期待されたが、20年度内に1・4兆円が使い切れず、繰り越しされた。

 要因の一つが、国が示す制度の細部についての解釈などが、実際にお金を配る都道府県ごとに異なり、病院側がなかなか申請できなかったり、申請しても給付決定までに時間がかかったりしたことだ。申請には膨大な書類の作成など手間もかかる。「申請よりも医療対応を優先した可能性もある」(財務省幹部)といい、申請をあえて控えた医療機関もあったようだ。

 コロナ対策では、規模重視で…

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