減らない人出に「恐ろしい局面」 危機感隠せない専門家

有料会員記事新型コロナウイルス

阿部彰芳 編集委員・辻外記子
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感染者数の増加 人出の増加に遅れて判明

 爆発的に拡大し始めた新型コロナウイルスの感染状況は、時間を置いて本格的に医療に影響が及ぶ。感染から重症化するまで時間がかかるためだ。一刻も早く感染拡大を食い止める必要があるが、政府の対策の中身は基本的に現状維持で、打開策を見いだせていない。

 緊急事態宣言の対象を6都府県に拡大し、期間を来月末までと政府が提案した30日の基本的対処方針分科会。田村憲久・厚生労働相は今の宣言が効いていないことを認め、手詰まり感を漂わせた。「活動的な方々に対し、もう一度どのような形で納得していただき、共感を持っていただけるか。これがない限り、1年以上続く厳しい制約の中でご理解いただけない」

 政府は今月末から、簡易検査キットを大学などに配り、感染拡大を早めに抑える対策を始める。不要不急の外出自粛を求めるだけでなく、外出の必要がある時は「極力家族や普段行動をともにしている仲間と少人数で」と呼びかける。だが酒類を提供する場合は休業、提供しない場合は時短営業という飲食店への要請が依然、対策の柱だ。「正直、新たにとれる政策として何があるのか詰め切れていない」と分科会メンバーは話す。

 参加者によると、分科会では将来的にロックダウン都市封鎖)を可能とする法整備の検討を求める声も出たという。だが、菅義偉首相は会見で「日本にはなじまない」と否定的な考えを示した。

 コロナの流行は、繁華街の人出の増加から始まり、感染者が増える経過をたどってきた。入院、死亡する人はさらに遅れて増えてくる。感染から発症までに5日前後、発症から肺炎の悪化までに1週間ほどかかるためだ。

 この流れで見ると、東京の現状は深刻だ。12日に宣言が始まったが、春に出た前回の宣言時よりも繁華街の人出が減っていない。インドで確認された感染力の強いデルタ株が広がる状況で、京都大の西浦博教授は前回並みに人出を抑えなければ、感染者は減らないと試算している。

「今までにない感染拡大、同じ措置で危機感伝わるのか」

 この3日間だけで都内の新規感染者は約1万人。仮に5%で肺炎が悪化すれば500人、10%なら1千人が、新たに入院を必要とする。一方、都が確保するコロナ用の入院ベッドは現在約6千床。入院者数は29日時点で3039人だ。

 29日の都のモニタリング会…

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