共に苦しんでたどり着いた決勝 萩野と瀬戸、ライバルが見せた笑顔

競泳

木村健一
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 東京オリンピック(五輪)第8日の30日、男子200メートル個人メドレーで4位の瀬戸大也と、6位の萩野公介はレース後、笑って抱き合った。同じ1994年生まれで小学生の頃から対決してきたライバル。ともに苦しみながら、たどり着いた決勝にメダルより大切なものがあった。

 萩野は、2016年リオデジャネイロ五輪の400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した後、右ひじを痛め、不調が続いた。重圧に悩み、過労で入院。一時プールから離れて欧州を旅した。いまは「自分らしい泳ぎをすればいい」と思える。

 前日29日の準決勝を突破し、うれし涙にくれた。3度目の五輪で初めてメダルゼロに終わっても、「やりたい泳ぎはできた。何より(瀬戸)大也と泳げた。今までのオリンピックで一番幸せ」。

 苦しんだのは19年世界選手権2冠の瀬戸も同じだった。昨春、コロナ禍で五輪が延期され、やる気を失いかけた。秋に不倫問題が発覚し、年内の活動停止処分を受けた。緩んだ体を鍛え直した。

 東京五輪は本命の400メートル個人メドレーで予選落ちし、200メートルバタフライは準決勝敗退。ほとんど練習してこなかった200メートル個人メドレーの予選をギリギリで通過した。昨年4月まで指導を仰いだコーチが、バタフライのテンポをおさえるように助言をくれた。準決勝で復調した。

 決勝は0秒05差でメダルを逃した。「少し残念だけど、(萩野)公介と泳げてすごく幸せ。力を出し切れて、スッキリしている」。目標は3年後のパリ五輪での金メダル。「感謝の気持ちと謙虚な気持ちを持って、ひたむきに努力したい」木村健一