「五輪の高視聴率は自宅観戦の表れ」西村氏 野党批判

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 菅政権が新型コロナ対応の緊急事態宣言を6都府県に拡大させることを受け、国会では30日、野党から政府の対応を批判する声が出た。五輪開催に伴う規制で人流を減らせたという首相の主張には「苦しい説明だ」との声も漏れる。打つ手がない政権は、欧米のような外出規制ができるよう法改正を検討する意向を示した。

 「今は感染爆発ですか」

 衆院議院運営委員会で、立憲民主党原口一博氏が問いただすと、新型コロナ対応を担当する西村康稔経済再生相は「これまでの流行を大きく上回る新規陽性者の数が報告されている。まさに感染が大きく広がっている極めて厳しい状況だ」と答えた。

 原口氏は、さらに感染が拡大しても五輪を開催し続けるのか、政府の認識をただすと、西村氏は中止の可能性には触れず、「五輪を自宅で観戦していただいた分、20日以降人流が減っている」などと説明した。別の議員への答弁でも「多くの人が自宅で観戦している。視聴率が高いのはその表れだ」と強調した。

 五輪によって人流が減っているとの主張だが、菅首相も29日に記者団に「五輪を契機に自動車の規制、テレワークを行い、人流は減少傾向にある」と語った。こうした発言には官邸内からも「目的と手段があべこべ」との見方が出ている。立憲幹部も「説明に苦しんでいる」と冷ややかだ。

 立憲の安住淳国会対策委員長は、記者団に「感染爆発を抑える責任は政府にある。人流を抑えたと首相は言うが、感染が増えたのだから、菅内閣全体に責任を取ってもらわないといけない」と語った。

 30日昼の参院議運委で、国民民主党の矢田稚子氏が「緊急事態宣言の効力が落ちている。新型コロナ対応の特別措置法を改正する局面ではないか」と話した。

 これに対し、西村氏は「民主的な先進国でも外出規制をやっている。不断の検討を進めていきたい」と述べ、強制力のある外出規制を念頭にした法改正を検討する考えを示した。