気がかりな若者の部活離れ サッカー合宿の街から悲鳴 

新型コロナウイルス

村山恵二
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 「サッカー合宿の聖地」として知られる茨城県神栖市波崎地区の合宿施設や旅館が、相次ぐ予約キャンセルに悲鳴を上げている。経営者によると、新型コロナウイルスの影響で、昨年の利用客は例年の9割減となり、今年もその傾向は変わらないという。

 神栖市には、市と民間のサッカー場が100面以上あり、波崎地区には学生やアマチュアチームが年間約30万人訪れていた。

 だが、波崎地区で合宿施設を営み、市観光協会会長の山崎芳一さん(61)は「緊急事態宣言が出る度にキャンセルが出る。昨年のお客さんは例年の10%くらいだった」と言う。

 19軒が加盟する波崎旅館業協同組合では、今のところ経営不振から廃業した宿はないというが、山崎さんは「みんな借り入れでしのいできたけれど、さすがにもう限界」と表情を曇らせる。

 山崎さんが経営する「ミンションやまざき」も人気の合宿施設だ。車で20分ほどの距離に自社のグラウンドが8面あり、バスも7台ある。両親の民宿を引き継ぎ、「民宿+ペンション」の意味を込めて現在の名に改めた。全13棟約60室に約300人が泊まれる。

 コロナ前は毎年7月下旬から9月半ばまでの約2カ月間、ほぼ満室だった。山崎さんは「300人が入れ替わる時間は、一時的に600人近くが動くので、壮観でした」と笑う。

 利用客の減少とともに気がかりなのは、コロナによる若者たちの部活離れ、サークル離れだ。「オンライン授業が増えているので、活動の規模は小さくなるし、代々続いてきた幹事業務も引き継がれなくなってしまうのではないか」。ラグビー合宿の聖地・菅平(長野県)など、全国5カ所の合宿地の宿が連携して、国に苦境を訴えにいくことも考えている。

 山崎さんは「コロナが収束したら、少額でも利用できる『Go To トラベル』のような制度を作って、若者が合宿に来やすいようにしてほしい」と願う。(村山恵二)

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