人形の細かい表情、ライブで見て 桐竹勘十郎の願い

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聞き手・井上秀樹
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 繊細な表現で評価の高い文楽人形遣いの桐竹勘十郎が、人間国宝に認定される。東京・国立劇場で9月4日から始まる9月文楽公演を前に、心境や意気込みを聞いた。

写真・図版
「2月文楽公演」の「冥途の飛脚 淡路町の段」で亀屋忠兵衛を遣う桐竹勘十郎=国立劇場提供

誰かが「頑張れよ」と

 ――今春、師匠の吉田簑助さんが引退しました。

 4月の3日に初日が開きまして、5日の夜に電話があって。「あすちょっと話がある」ということで、翌6日、師匠が役が終わられてから、劇場関係者と文楽協会の方と、私、一つの部屋に集まりまして、師匠から引退の話を聞きました。

 ――どんな気持ちでしたか。

 まあもう、お年もお年ですので、「あした話がある」という電話を受けたときに、あっこれは引退の話かな、というのは覚悟しながら聞いておりました。

 ――24日の千秋楽まで、師匠最後の公演をどう勤めましたか。

 これが最後なんだなと、毎日、舞台の袖で拝見はしてましたですね。「国性爺合戦」の楼門の段でした。非常にお元気でしたのでね、まだまだやれるのではないかなと、こちらは勝手に思っておりましたけども、ご本人は引退の理由として、人形遣いとして何もかもやり尽くした、ということでした。意思が固いお方なんで、こら一度決めたら周りが何を言うても変えられない人ですのでね。

 残念なのは、急に引退が決ま…

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