親が在宅勤務できるかで格差 全国学力調査、識者が指摘

桑原紀彦
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 コロナ禍は、子どもの学力にどう影響したのか。5月に小6、中3を対象に2年ぶりに実施された全国学力調査と、同時に行われたアンケートの結果を照らし合わせると、昨年の一斉休校中、勉強に不安を感じ、計画的な学習ができなかった子は相対的に正答率が低い傾向が浮かんだ。専門家は、高学歴・高収入など社会経済的に有利な親は子どもの学習サポートに回れた一方、そうでない家庭では支援が薄くなり、元々ある教育の格差が改めて浮き彫りになったと指摘する。

 文部科学省によると、アンケートの「休校期間中に勉強に不安を感じたか」との質問に「当てはまる」と答えた小6の国語の正答率は、「当てはまらない」と答えた児童の正答率より6ポイント低かった。「計画的に学習が続けられたか」との質問でも、「当てはまる」と答えた児童の正答率は、「当てはまらない」と答えた児童より約11ポイント高かった。他の教科や中3でも同じ傾向だった。

松岡亮二・早稲田大准教授(教育社会学)に聞くと

 松岡亮二・早稲田大准教授(教育社会学)は、ほかのデータに基づいて、在宅勤務のできるホワイトカラーの親は、家にいて子どもの学習の面倒を見たり、塾に通わせたりすることができたと指摘する。一方、一人親や、在宅勤務の難しい福祉や小売業などに携わる「エッセンシャルワーカー」の家庭では、こうした支援が難しかったとみられるという。

 松岡准教授は「これまでも確認されてきた、親の学歴や収入によって子どもの学力や学習習慣に格差がある傾向が、コロナ禍で改めて顕在化した」とみる。

 現在のコロナの感染拡大は昨春の一斉休校時よりはるかに深刻で、「第5波」により、夏休みの延長や休校を決める学校も相次いでいる。休校が長引く事態になれば、家庭環境が不利な状況にある子が、学力や学習習慣を身につける上で、さらに厳しい状況に置かれる恐れもある。松岡准教授は「そういった子たちに学校を開放して、学習が継続できるような追加的支援が必要だ」と訴える。(桑原紀彦)