泥沼の戦いを20年間 米国と世界が失ったものは大きい

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アメリカ総局長・望月洋嗣
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アメリカ総局長・望月洋嗣

 米史上最長の戦争が幕を閉じた30日夕刻、ワシントンのホワイトハウス前は閑散としていた。米下院議員を目指すインド系の女性が、カブールで死亡した13人の米兵を追悼し、「バイデン大統領の決断が彼らを死なせた」と数人の支持者に訴えていた。

 10年前、この場が歓喜に沸いた瞬間もあった。2001年9月の米同時多発テロを首謀したビンラディン容疑者殺害を、当時のオバマ大統領が発表した夜だ。だが、泥沼の戦いはその後も続き、大義も不明瞭になる。アフガニスタンから追われるように完全撤退した米国には今、敗北感しかない。

 アフガン、イラクの「二つの戦争」で米国と世界が失ったのは、大義だけではない。失われた命は米兵、戦闘員、民間人を合わせて数十万人とも言われる。対テロ戦争の戦費は、米国だけで推計6兆ドル(660兆円)を超す。バイデン大統領が米国の国力回復に向け、インフラ整備や産業育成に投資したい予算に相当する。失われた命や資金が、もし、別の形で使われていたら――。歴史に「if」はないが、そう考えると、失われたものの大きさが見えてくる。

 この20年間に、米国の中間…

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