陸上100mは16種目 パラの種目数は五輪の1.6倍

菅沼遼
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 東京パラリンピックで実施されるのは22競技539種目。閉幕したオリンピック(五輪)の33競技339種目と比べ、競技数は少ないのに種目数は多い。障害の種類や程度によってクラス分けされていることが理由だ。

 たとえば五輪の1種目の陸上男子100メートルが、パラリンピックでは16種目になる。視覚障害は弱視から全盲まで3種目、脳性まひ以外の車いすでも、上半身の障害の度合いなどに応じて4種目に分かれる。出場選手が多い陸上と競泳は特にクラス分けが細かい。

 障害の種類も程度も様々な選手の出場機会を守りながら、公平性も確保する手段といえる。順位に大きく影響するため、クラスは厳しい審査を経て決められる。国際パラリンピック委員会(IPC)公認の判定員(クラシファイヤー)が関節の可動域テストなどをもとに決定する。

 進行性の病気などで体の状態が変わる選手もいて、定期的な判定が求められる。だが、昨年以降は新型コロナウイルスの影響で多くの国際大会がなくなり、クラス分けの機会も失われた。有効期限が切れた選手もいるため、IPCは特例措置として、10競技の約400人に対して来日後のクラス分け実施を決めた。

 クラスは、陸上ではアルファベットと数字2桁で示される。「T」はトラック(Track)、「F」はフィールド(Field)を指し、10番台は視覚障害、20番台は知的障害、30番台は脳原性まひ、40番台は低身長症や手足の切断・機能障害、50番台は車いす、60番台は義足と、障害の種類を表す。1の位が小さくなれば障害の程度が重くなる。

 2016年リオデジャネイロ大会で40番台(手足の切断など)に含まれていた義足は、出場者が増え、東京大会では60番台として独立した。だが細分化しすぎると各クラスの選手が減り、競技力が低下するというジレンマもある。このため、大会ごとに見直しがされている。

 競技数は、米ニューヨークと英ストークマンデビルでの1984年大会は975種目だった。参加選手は現在の半分以下の2千人程度で競争に乏しい種目も多かった。その後、競技性がより重視され、選手が少ない重度障害のクラスは削減対象になった。92年バルセロナ大会で489種目になり、以降は500種目前後で推移している。(菅沼遼)