シニア流、災害持ち出し品の極意 水や食料だけでない備えの必要性

浅野真
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数字は語る

 9月1日は「防災の日」。地震や豪雨など、自然災害は激甚化している。だが、内閣府の2017年の「防災に関する世論調査」によると、「食料や飲料水、日用品などを用意している」は約46%。この傾向は過去もほぼ変わらない。

 災害の際、リスクが高いのが高齢者。助かったとしても、避難所で体調を悪化させて死に至る「災害関連死」も高齢者が多い。「たしか、昔買った非常持ち出し袋が物置にある」ではダメなのだ。シニア向けの「備え」のポイントについて、地域防災支援協会の三平洵・代表理事に聞いた。

 『シニアのための防災手帖』という監修書もある三平さんが強調するのは「自分流の持ち出し品の用意」。市販の持ち出し袋は食品やライトなど平均的に必要なものはある。「ライフラインが止まれば、避難生活は長期化する。いかに『普段』に近い生活を継続できるかが、体調を悪化させないポイント」という。

 水や食料は避難所で支給される可能性が高い。しかし、個人仕様のものはないと考える。「例えば持病の飲み薬。降圧剤ひとつとっても何種類もある。最低でも数日分の薬と薬手帳のコピーは非常持ち出しリュックに入れて」と三平さん。

 記者は今年、防災士の資格をとり、三平さんのアドバイスをもとに見直した。まず、持ち出しリュックは、家族分用意した。一人ひとつ。荷物を分散することで、一人の負担が軽くなるし、万が一、はぐれたときも最低の用意はある。降圧剤など複数の薬を毎日服用しているので、3カ月分もらう薬のうち、10日分と薬手帳を自分のリュックに入れた。この薬も次に処方されるまで飲みきる。いわば、薬のローリングストックだ。老眼鏡や使い捨てのめがねふきも入れた。コロナ禍なので体温計も。「地震で家中がぐちゃぐちゃな時に、必要なものは探せない。避難用は別途用意するのがベスト」と三平さん。

 つい忘れがちなのが、リュックの中身の見直し。三平さんのオススメは年に2回の衣替えの時期。「食品の賞味期限はもちろん、下着も時季に合ったものに変える。この見直しで防災意識も高まる」という。

 助かった命を、つらい避難生活で失ってはいけない。できることは、ある。(浅野真)