米国が育てたテロと独裁 撤退後にこそ問われる日本外交

有料会員記事アフガニスタン情勢

元中東アフリカ総局長・石合力
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 脱出を求める自国民とアフガニスタン人協力者らを置き去りにしたまま最後の米軍機がカブールの空港を飛び立った。米国主導の「対テロ戦争」は、イスラム主義勢力タリバンの実効支配復活という20年前の開戦時に歴史の針を戻して完了した。

米軍がアフガニスタンからの撤退を完了しました。20年間で、米国はアフガンに何を残したのか。今後、日本に求められる外交姿勢とは。中東・イスラム世界とワシントンの双方から取材した経験のある石合力記者の論考です。

 「対テロ戦争」は、2001年の米同時多発テロの首謀者オサマ・ビンラディン率いる国際テロ組織アルカイダと、彼らをかくまったタリバンに対する「報復」として始まった。その際、当時のブッシュ政権は、テロの温床となる独裁国家、破綻(はたん)国家、貧困国の政権を倒し、民主国家をつくるという「中東民主化構想」を掲げた。「戦争の後には、自由と民主主義がやってくる」(ブッシュ大統領)と。だが、主戦場となったアフガニスタン、イラクに樹立した新政権では腐敗と汚職が続き、治安のさらなる悪化と混乱を招いた。今回、多額の資金を持って国外にいち早く脱出したガニ大統領の行動は、政権の実態が、民主化とはほど遠い親米傀儡(かいらい)政権だったことの象徴だろう。

 歴史をさらにさかのぼれば「…

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