キトラ古墳石室の南壁で水銀確認 十二支の巳の痕跡か

清水謙司
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 奈良県明日香村キトラ古墳特別史跡、7世紀末~8世紀初め)の石室の壁画(国宝)で、十二支像の一つ「巳(み)」の図像があったとみられる痕跡が見つかった。文化庁が8月31日に東京都内で開いた「古墳壁画の保存活用に関する検討会」で報告された。

 キトラ古墳の十二支像は頭が動物、身体は人間(獣頭人身)の姿が特徴だ。東西南北の壁面には、中国古代思想の方角の守護神・四神とともに3体ずつが描かれたと考えられている。これまで、子(ね)、丑(うし)、午(うま)など6体が確認されている。

 文化庁が8月、巳が描かれていたと想定される南壁の壁画片を蛍光X線分析で調べると、約10センチ四方の範囲から水銀が検出された。赤色顔料の水銀朱が使われていたことがうかがえるという。

 南壁は「赤」が特徴の一つ。これまで鮮やかな朱色で描かれた四神の一つ「朱雀(すざく)」が確認され、午の存在も判明している。文化庁は今後、水銀が検出された部分の細かいデータを取り、元素の分布具合を調べるなどして、巳の図像を明確にする作業を検討する。(清水謙司)