的中したブッシュ元大統領の予言 米国内に広がる無力感

有料会員記事アフガニスタン情勢

バンコク=乗京真知 ワシントン=園田耕司、合田禄 ワシントン=大島隆
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 アフガニスタンで駐留米軍の撤退が完了した。イスラム主義勢力タリバンの復権を許し、アフガン国内は混乱したまま、20年に及ぶ「米国史上最長の戦争」が終結した。アフガニスタンが再びテロリストの温床となることが懸念され、撤退を望んだ米国民にも無力感が漂う。

 首都カブールの国際空港周辺では8月30日深夜、最後の米軍機が飛び立つのをタリバンの戦闘員たちが見届けた。

 タリバン中堅幹部(40)は「勝利」を祝うため、中部ガズニ州から来たという。朝日新聞の電話取材に「父は80年代にソ連軍を追い出したイスラム戦士だった。その血を受け継いだ自分が今、米軍を追い出した。ここが『帝国の墓場』であることを親子で証明した」と誇らしげに語り、さらに続けた。

 「米軍にはこう言ってやろう。二度とイスラム世界に手を出すな」

 タリバンの特殊部隊は米軍機の離陸直後、空港内に入った。住民によると、カブールでは2時間以上にわたって銃声が鳴り続いた。タリバンが空に向かって銃を撃ち、喜びを表す「祝砲」だったとみられる。

 タリバンのスハイル・シャヒーン幹部は31日未明、ツイッターに「最後の米軍機が飛び立った。我が国は完全な独立を勝ち取った。アラーをたたえよ。すべての国民に心からお祝いしたい」と投稿した。

 カブールの高校教師ファゼル・ラヒームさん(35)は「長い戦乱で国は荒れ、福祉や教育は世界よりも100年遅れているように感じる。タリバンが何を言い出すか、どんな刑罰を持ち出すか、みんな不安がっている」と話す。

 米軍が去った空港は、タリバンの管理下に置かれている。タリバンは管制塔を動かす技術などを持ち合わせておらず、友好国のカタールやトルコに技術支援を呼びかけている。

 タリバンは「民間機が飛べるようになれば、国民は誰でも出国できる」(幹部の一人)と説明しているが、民間機の運航は止まったままで、再開の見通しは立っていない。(バンコク=乗京真知

撤退戦略問われたブッシュ氏「信じられないような…」

 「米軍人や外交官は、すさまじい危険のなかで任務を遂行し、比類ない結果を残した」

 バイデン米大統領は30日の声明で、混乱を極めた退避作戦をこう表現しながら、20年にも及ぶ米軍の駐留の終結を宣言した。

 アフガニスタンでの戦争の始…

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