シシトウ栽培、AIでラクラク農薬散布 高知・南国

清野貴幸
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 AI(人工知能)を活用してシシトウ栽培をする大規模ハウスが、高知県南国市に完成し、8月30日に公開された。農薬散布の作業負担の軽減も期待されるという。

 ハウスは栽培面積約3千平方メートルで、四国電力の子会社「Aitosa(アイトサ)」が造った。温度や湿度、二酸化炭素濃度といったハウス内の環境を集中制御で適切に保つ。

 最大の特徴は、東京の農業ベンチャー企業と共同開発しているAIを積んだ農薬散布ロボットの活用。電動で畝(うね)と畝の間を自律走行し、薬剤をまいていく。次の列への折り返しも自動で、操作者は始動と終了のスイッチを押すだけ。手作業よりむらなく散布できるという。

 アイトサによると、シシトウは業務向けが主体で販売単価が高い半面、労働負担が大きく、2週間に1回程度必要という農薬散布はとりわけ重労働。散布時には雨がっぱなどを着る必要があり、特に夏は熱中症の危険もあるという。

 将来的には収穫も自動化を目指し、農作業の省力化によって新規就農者を増やすことにつなげる狙いがある。初年度はシシトウの苗を9月に植え、約1カ月後から収穫を始め、年間約30トンの生産を目指している。

 アイトサの武田博文社長は「スマート農業技術の開発と普及、シシトウ生産を通じて産地の維持・拡大、高知県農業の活性化に貢献することを目指したい」と話す。

 シシトウは高知県の主要作物の一つ。県によると、2019年の産出額は35億円で、全国シェアは約4割でトップ。南国市は作付面積、生産量とも県内で最多という。(清野貴幸)