パラ選手にぴったりの特製車いす 元バスケ選手が提供「応援したい」

上嶋紀雄
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 東京パラリンピックに出場している車いすの選手を、陰でサポートする元車いすバスケットボール選手が神奈川県藤沢市にいる。車いすを販売する会社「オーエックス神奈川」を経営する森本哲也さん(52)。「自分も車いすに乗って困っていることがある。だからみんなを助けたい」。そんな思いで選手を見つめている。

 キラキラ光るラメ入りのピンクのフレーム。森本さんが乗る車いすは会社のオリジナル製品だ。「ピンクは珍しいでしょう。オンリーワンにこだわっている」

 東京パラの出場選手では、車いすバスケの男子日本代表の古沢拓也選手(25)、パラに6回目出場の競泳の成田真由美選手(51)をサポート。そのほか多くの車いすの選手とつながりがある。その選手にあったオリジナル製品を提供し、車輪交換などのメンテナンスも定期的に行う。

 森本さんは高校3年生のときにオートバイの事故で脊髄(せきずい)を損傷し、車いす生活になった。リハビリで入院している時に紹介されたのが車いすバスケだった。

 「車いすに乗ってスポーツだなんて」。高校時代は陸上の中長距離の選手でスポーツは好きだったが、最初は乗るだけでもつらかった車いすでスポーツをすることは考えられなかった。

 だが、いざ始めてみると考えが変わった。加入したチームは県内で活動する車いすバスケチームの名門、パラ神奈川スポーツクラブ。「試合に出て楽しくなった。みんなでプレーするのがよかった」。全国大会優勝も経験し、のめり込んだ。

 転機は27歳のとき。バスケを通じて知り合った車いすメーカー「オーエックスエンジニアリング」(千葉市)の当時の社長から製品を「広めてほしい」と言われて代理店を始めた。

 同社は今や車いすテニス国枝慎吾選手らが信頼を寄せるメーカー。ただ、森本さんはオリジナル製品にこだわった。「車いすになったからといって家に閉じこもってもしょうがない。車いすに乗って外に出たいという気持ちにならないと」

 車いすに格好良さやおしゃれを求めた。その一つがラメ入りのカラフルなフレーム。そのほか、つや消しの色など約150色ある。前輪が光るキャスターもとり入れた。一般と競技者用を扱い、病院や施設も定期訪問し、県内を車で走って顧客をサポートしている。

 代理店を始めたころに、自分の車いすバスケチームを結成。3年前に活動を休止したが、長年、選手としてプレーした経験を生かして選手と向き合っている。フレームのサイズや角度など選手の要望をしっかりと聞いて車いすを納品する。

 「目標に向かってプレーしている人は輝いている。だから応援したくなる」と森本さん。選手たちがパラリンピックで活躍することを願っている。(上嶋紀雄)