五輪に初のトランスジェンダー選手 制度も理解も道半ば
東京オリンピック(五輪)に五輪史上初めて、男性から女性への性別変更を公表したトランスジェンダーの女子選手が出場する。五輪に女子が初めて出た1900年の第2回パリ五輪から120年が経ち、今大会で男女の出場選手数がほぼ同じに。性的少数者の出場も増えている。国際社会では自認の性を尊重し、男女以外の性を法的に認める流れがあるが、スポーツで平等や公平を実現するための模索は続いている。
男性から女性に性別を変更したことを公表しているニュージーランドのローレル・ハバード(43)は、第11日の2日、重量挙げ女子87キロ超級に出場する。出場14選手の中で自己ベストでは3番目。メダルを争う可能性が十分にある。
ハバードは国内ジュニア記録を出した男子選手だったが、性別への違和感から選手をやめた。性別適合手術を受けて、2017年ごろに女子として復帰した。世界選手権に勝ち進み、五輪にはない90キロ超級で銀メダルを獲得した。
試合に出ると批判された。他国選手団から出場資格の取り消しを求められた。女性の権利を主張するニュージーランドの団体は、「男性」が女性の機会を奪っていると批判。その背景には当時、出生届の性を自分の意思で変更できるようにする法律を巡る同国内の議論があった。
メダル争いなら「強豪国が黙っていない」
19年世界選手権でハバード…
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- 【視点】
関連する論考を読むと、当事者やアライのなかでも、運動会などの地域のイベントやレクリエーション要素の強い大会ほど参加条件緩和への肯定度が高く、大会レベルが上がって全国大会や国際大会になるほど肯定度が低くなるという結果が出ており、当事者らの中で