打ち切られた選考大会、逃した五輪 涙流した兄に楢崎明智が託す思い

[PR]

 失意の底にいた昨年12月の夜、スマートフォンが鳴った。スポーツクライミング楢崎明智(めいち)(22)。自身の、東京五輪への道が閉ざされたことを知った直後だった。

 電話の相手は、五輪代表をすでに決めていた兄、智亜(ともあ)(25)。「仕方ないな」と言う兄に、思わず「ごめんね」と返した。

 「悔しいよな……」。つぶやくように発した兄の声が、震えている。自分のために泣いてくれるのは、初めてだったかもしれない。

 クライミングの日本代表選考は迷走した。

 複数行われるはずだった選考…

この記事は有料会員記事です。残り997文字有料会員になると続きをお読みいただけます。