19歳の「五輪の夢」届かず 初代王者を目指した中村輪夢、次の目標

荻原千明
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 「五輪の夢」。そんな思いで名付けられた京都府出身の中村輪夢(りむ、19)が1日、東京オリンピック(五輪)のBMXフリースタイル・パークの男子決勝に出場。メダル候補だったが、5位に終わった。試合後、「悔しい」と繰り返した。

 ジャンプ台や曲面があるパーク内で1分間、BMXを駆使した技を披露し、99・99点満点で採点される新種目。「BMXを知ってもらいたい」。そして「初代チャンピオンになりたい」。そう願って臨んだ大会だった。

 1本目は開始23秒、着地で足をつくミスをした。後がない2本目。1回のジャンプで横に2回転しながら手を離し、さらにハンドルを回す大技を見せたが、メダルには届かなかった。他に新技も用意していたが披露しきれず、「目指していたのは、全然ここじゃない」と口にした。

 出場9選手のうち唯一の10代。元BMXライダーで自転車店を営む父、辰司さん(46)の影響で2歳からBMXに乗り始めた。輪夢という名は、BMXのホイールの外枠「リム」、生まれた2002年にあったソルトレークシティー五輪から着想を得て付けられた。

 新種目として東京五輪での採用が決まった17年、世界選手権で7位入賞。19年のワールドカップで日本男子として初優勝し、注目を集めた。

 朝ごはんを食べて練習、昼ごはんを食べてまた練習。自転車に乗るのが楽しくて仕方がなかった。

 しかし、五輪の延期決定後の20年9月、左かかとを骨折。「体の一部」と語っていた自転車に今年1月まで、乗れなかった。大会直前にも足の痛みに襲われ、ほとんど練習ができないまま本番に入った。

 「単純に自分の力不足かなと思います。(五輪は)特別な大会。みんなが注目しているので、そこで結果を残したかった」。ただ、こうも言った。「走っている途中は楽しかった。(パリ大会に)出られれば、借りを返したい」(荻原千明)