石川祐希「僕たちのベスト出そう」 苦しい展開でも揺るがなかった心

バレーボール

照屋健
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 リオデジャネイロ五輪で5位のイランとの大一番。第3セットを奪われる苦しい展開で、バレー男子日本代表の主将、石川祐希はチームメートにいった。

 「相手が良いプレーをしても仕方がない。僕たちは、僕たちのベストを出し切ろう」

 チームは当初からこの試合に照準をしぼっていた。6月のネーションズリーグを終えてから、コーチも交えたミーティングで確認した。ポーランド、イタリアを格上とし、「(最終戦の)イラン戦でベストパフォーマンスを出す」と。

 だから、リードされても、選手たちの心は揺るがなかった。取材エリアに現れた李博は「メンタルでは絶対に負けないと石川キャプテンも含めて話していた」。

 圧巻だったのは、最終セットの出だし。いきなり、その石川が2連続サービスエースを決めた。主将の積極性にチームは奮い立った。21歳の西田有志は、チーム最多の30得点。中垣内祐一監督は「キャプテンのサービスエースは、当然チームも感じている。チームとして戦えた」。

 戦略的に最終戦を勝ち取った石川は「(その前に)4戦あるので、体は疲れている状況ですけど、そのなかでもイラン戦でベストパフォーマンスをかかげて常に練習もしていた。1戦、2戦に集中しようとしていたらこの試合勝てていないかもしれない」と強調。「競った場面で力を発揮して勝ち切れたのは大きな成長が見られたのかな」と胸を張った。

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日本男子バレー史上「最高」の逸材、石川祐希イタリアでの成功の裏にあった秘密とは?日本代表のキャプテンに込めた思い、恩師らが語る「学生時代」など、龍神NIPPONの大黒柱の素顔に迫ります。

 バルセロナ五輪以来、29年ぶりの決勝トーナメント進出を強調するメディアに中垣内監督は「もう、バルセロナのことは忘れましょうよ」ときっぱり。「選手は違う。29年ぶりなんて、選手には全く関係ないこと。選手はこの大会での勝ち負けがすべて。選手たちの意志と力で勝ち上がった」

 3大会ぶりに出場した五輪で、大きな壁を破った。(照屋健)