地元のお宝、こんなときこそ再発見 京博・奈良博で

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編集委員・中村俊介
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 長引くコロナ禍で苦境が続く博物館。こんなときこそ地元のお宝や所蔵品に改めて光を当て、その豊かさを地域住民に再発見してもらおう。そんな展覧会が奈良と京都の二つの国立博物館で開催中だ。文化財保護の歴史や、それらを後世に伝える取り組みの紹介、新たな来訪者層の掘り起こしなども巧みに織り込まれている。

 まずは奈良国立博物館奈良市)の特別展「奈良博三昧(ざんまい)」(9月12日まで)。寺社の寄託が多い奈良博だが、副題「至高の仏教美術コレクション」がアピールするように、自ら所蔵するご自慢のお宝も負けていない。約2千件の館蔵品から250件近いえりすぐりをそろえた。

 俗世と隔絶する如来や菩薩(ぼさつ)の荘厳さ。対して、苦行でほおがこけ、あばらが浮いた「出山(しゅっせん)釈迦如来立像」の、なんと人間くさいこと。官能的にも思える如意輪観音たちと悪を砕く五大明王の激しさ、そのコントラストにハッとする。衣服をたなびかせてダッシュするみたいな伽藍(がらん)神は子どもたちの人気を呼びそうだ。

 五重塔をかたどる素焼きの「瓦塔(がとう)」(浜松市出土)は存在感たっぷりだし、紫紺の料紙に金字が輝く「金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)」(国分寺経)は、どこまでも高貴。「仏教美術の殿堂」を面目躍如する芸術作品の数々が蔵出しされている。

 ひと工夫したポスターやチラ…

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