山・鉾・屋台の祭りを網羅 ユネスコ登録に研究事典刊行

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編集委員・中村俊介
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 「山・鉾(ほこ)・屋台行事」がユネスコ国連教育科学文化機関)の無形文化遺産になって4年余り。全国の同種の祭りを網羅する『山・鉾・屋台の祭り研究事典』(思文閣出版)が刊行された。そういえば山や鉾、屋台の違いってなんだろう? ぼんやり抱いていた疑問の答えも、そこにあった。

 800ページ近い大部。ユネスコ登録の重要無形民俗文化財33件を含め、北は北海道から西は九州まで125の祭礼を収録する。特筆は論考の充実だ。おはやしや獅子舞といった芸能から山車の飾りや構造、現代社会とのかかわりまで広く重厚な執筆陣で、単なる「事典」ではなく「研究事典」を冠したのもうなずける。

 この手の祭礼は各地に千数百もあるそうで、「地域ごとに千差万別の多様性がみられ、かけ声などソフト面も含めた有形無形の姿を知ってほしい」と編集に携わった福原敏男・武蔵大教授(民俗学)。きらびやかな造形物の呼び方も山車やだんじり、曳山(ひきやま)などといろいろで、形態別に分類もなされてきた。民俗学者折口信夫は、これらを神が降臨するよりしろとみたが、近世都市の成熟した文化がおびただしいバリエーションをもたらしたようだ。

 東海地方の屋台や山車はから…

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