五輪じゃないけど世界一 望月さん、バックギャモン優勝

寺下真理加
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 東京五輪以外でも、日本人が盤上で優勝――。モナコのモンテカルロで開催された第45回世界バックギャモン選手権(45TH BACKGAMMON WORLD CHAMPIONSHIP)で、日本のバックギャモンプロプレーヤー、望月正行さん(42)が1日、最終決戦でスイスのカルロス・エステンソロさんを破って優勝した。望月さんは朝日新聞の取材に「追いつかれてきた時が一番焦った。決勝戦でやはり冷静ではなかったのかも。妻と3人の子どもに報いることができた。コロナ禍で、2年ぶりに世界大会を開催できたこと自体、大きな『勝利』」と話した。

 バックギャモンはチェス、トランプ、ドミノと並ぶ世界4大ゲームの一つ。同選手権は毎年モナコで開催され、昨年はコロナ禍で中止となっていたが、今年はおよそ20カ国100人余がエントリーし、7月27日から8月1日まで、2年ぶりにモナコで開催された。望月さんは現在、バックギャモンの世界ランキング1位。2009年、同選手権で日本人として初めて優勝し、今回、2度目の優勝を飾った。14年と18年に優勝したプロプレーヤーの矢澤亜希子さんは、今年は渡航と出場を断念している。

 望月さんの優勝後の一問一答は次の通り。

 ――2度目の優勝を手にした。

 「結果的に優勝できたことには大変満足している。子どもが3人いるので、海外トーナメントに1人で出場するときは妻に大きな負担をかけていて、それに少しでも報いることができたなと」

 「内容的にはよくない部分も多々あり、反省してまた精進したい」

 ――今回、一番苦しかった場面は。

 「決勝戦の2試合目、リードしている状況から少しずつ追いつかれてきた時が一番焦った。落ち着いて対処すればよかったが、やはり決勝戦という状況で冷静ではなかったのかもしれない」

 ――コロナ禍で2年ぶりの開催となった。今回、参加できなかった日本勢もいた。

 「正直、大会が開かれるかどうかもわからない中だったので、普段より少ない人数とはいえ開催されてほっとしている。ワクチンを早めに打てたので、参加することができて幸運だった」

 「コロナ禍はステイホームする時間が多かったため、勉強する時間はいつもより取れた。ただ、それ以上に他のプレーヤーも勉強してレベルアップし、全体のレベルはこの2年で大きく上がったと思う」

 ――いま、東京五輪の様々な競技が注目を浴びている。スポーツの分野ではないが、バックギャモンも、鈴木琢光さん、矢澤亜希子さん、望月さんを含め、この12年で5回も日本選手が優勝した。にもかかわらず国内では認知度向上が大きな課題とされる。

 「バックギャモンの最大の魅力は、世界各国のプレーヤーと年齢、性別の区別なく競い合えること。今の時代はAIとインターネットがあるので、強くなるのに環境も選ばない。今回、コロナ禍でありながら、世界のプレーヤーが集まり、世界選手権を開催できたこと自体が大きな『勝利』。個人的にも、ライバルであり、友人でもあるプレーヤーたちと再び集えたことが本当にうれしい」(寺下真理加)