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ワクチンうった高齢者、お盆に子どもや孫と会っていい?

有料会員記事新型コロナウイルス

編集委員・田村建二
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 新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種が進んでいる。高齢者での感染や感染者集団(クラスター)の発生が減り、ワクチンが普及した効果ではないかと指摘されている。では、ワクチンを規定通りに2回うち、一定の期間がたった高齢の人たちは、どの程度安心できるのか。子どもや孫たちは、両親や祖父母に会うためお盆に帰省してもよいのか。

 東京都のデータによると、新規感染者のうち65歳以上の人が占める割合は、3月30日~4月5日には15・7%だった。それが、7月20~26日には2・9%まで減った。

 また、全国で起きたクラスターのうち高齢者施設の割合は、1月25日の段階では全体の37・6%を占めていたが、7月26日の段階では2・9%にまで減った。

 高齢の人たちがほかの世代にも増して、感染しないよう注意していた可能性もあり、ワクチンだけの効果とは必ずしもいえない。

 とはいえ、ワクチンが果たした役割が小さくないことも多くの専門家が認める。

90%前後の有効性、でも「必ず大丈夫」ではない

 海外での臨床試験のデータによると、ファイザー製のワクチン接種を終えた人が新型コロナに感染し発症する割合は、うっていない人に比べて全般で95%低かった。65歳以上に限ってみると、同じ割合は94・7%。モデルナ製では、対象者の全体で94・1%、65歳以上については86・4%だった。

 高齢者に対しても、ワクチンの効果は高いといえそうだ。

 ただ、どれも100%ではない。2回うったからといっても、「必ず大丈夫」とはならない。

 さらに、いずれの試験でも、75歳を超える年代については参加者が少なく、有効性の評価は十分にはされていないという。

 これは、新たに公費で使われることが決まったアストラゼネカ製のワクチンでも同様だ。

 さらに、いま国内で広がっている変異ウイルスのデルタ株は、従来のウイルスよりも感染力が強い。ファイザー製を2回うった人ではデルタ株への感染で発症する割合が88%低いという英国での研究結果があるが、高齢者に限ったデータは知られていない。

接種後でも感染例、専門家「マスクは続けて」

 米疾病対策センター(CDC)は7月30日、マサチューセッツ州で同月に起きた集団感染に関して、感染者の74%が1回接種のジョンソン・エンド・ジョンソン製を含め、ワクチン接種を終えていたとの調査結果を公表している。

 また、感染者のウイルスタイプを判別できたうち、90%はデルタ株だった。ワクチンをうっていても、デルタ株にはとりわけ油断は禁物だ。

 ワクチンに詳しい川崎医科大の中野貴司教授(小児科)は「ワクチンをうった人が感染し発症するリスクは、かなり下がっていることは確か。とはいえ、マスクなどの注意は従来通りに続けてほしい」という。

 自分は発症しなかったとしても、周囲に感染させてしまうおそれは残る。周囲にウイルスを広げないという意味でも、マスクは必要だという。

 中野さんによれば、離れて暮らす高齢者と子どもや孫らの双方が、事前に2週間、ほかの人との接触を断つなどすれば、お互いの感染リスクをかなり抑えた状態で会うことができる。

 高齢者がワクチンをうっていればさらに心強く、子どもや孫から高齢者に感染してしまうリスクを減らせる。

 一方で、里帰りを目的に都会から地方へ多くの人が移動すれば、ウイルスを全国に広げるおそれが避けられない。

 「感染拡大が収まっていない現在は、感染のレベルがかなり低く抑えられている同一の地域内の中に限って会う程度にとどめたほうがいい。たとえ高齢者がワクチンをうっていたとしても、長距離の移動を伴う里帰りはしばらく控えてほしい」と中野さんはいう。

 高齢者どうしが交流することについてはどうか。

■「高齢者が孤立し続けること…

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